前回に引き続き五台山の南西部にあるお寺めぐりの記事です。
2016年5月6日に行ったお寺は全部で6軒。午前中に霊境寺→清涼寺→金閣寺→獅子窩→竹林寺と5軒まわった後、ひとまず宿へ戻って昼食をとる。この時点で14:00くらい。しばらく休憩した後、15:30ごろに宿を出て、五台山の中心部にある黛螺頂という寺院を訪ねた。
今回はこの黛螺頂について書いてみよう。
黛螺頂の概要とアクセス方法
黛螺頂(中国語:黛螺顶 Dàiluódǐng)は五台山の中心部に近い場所にある。中心部から400mほど高い山の上にあるため、黛螺頂へたどり着くためには山登りの必要がある。

黛螺頂は唐代の創建といわれている。明の成化帝の時代に改築された。当初、佛頂庵という名前であったが、清の乾隆帝の時代に黛螺頂へと改名されたそうである。明代・清代の頃には五台山の5つの頂上(台頂)まで行って文殊菩薩に参拝することを大朝台、黛螺頂へ行って五方文殊殿に参拝することを小朝台と呼んだそうだ。つまり、黛螺頂を参拝するだけで五台山の5つの頂上へ行ったことと同じになるということである。
黛螺頂は塔院寺や顕通寺の集まるあたりから1kmほど離れているため、宿の主人に車で山のふもとまで送ってもらった。このときのチャーター費用は無料にしてくれた。
山のふもとから黛螺頂まで登るには次の4つの方法がある。
- リフトに乗る
- 馬に乗る
- 徒歩で山道を登る
- 徒歩で大智路(1080段の石段)を登る
私が送ってもらった場所はちょうどリフト乗り場の目の前で、1080段の石段がある大智路はそこから少し離れたところにあったらしい。よって1, 2, 3の中から登り方を選ぶことにした。

リフトはスキー場のそれと同じ乗り物で、片道50元・往復85元という値段であった。だが見たところ、それほど長い距離を登るわけではなさそうだったので、リフトに乗るのはやめた。

次に見たのは馬である。リフト乗り場の左乗り場に馬ステーションがあって、しきりに「骑马啊,骑马!」と呼び込みをやっている人がいた。どうやら片道50元で、騎手の後ろに乗って行けるようである。馬に乗ったことないので乗ってみたい気もしたが、50元はちょっと高い。3の徒歩で山道を登るを選ぶことにした。

山道はそれほど急ではない。登り始めてまもなく馬に乗った人が寄って来て「頂上まで30元だ」と言い出す。なんでも「下から乗ると50元だけどもここで乗れば管理費がなくて安い」んだと。なるほど、管理会社に中抜きされないように違法営業をしている騎手のようだ。そういえば違法に個人で営業しているタクシーといえば「白タク」と言うのだから、馬なら「白馬」になるんかななどと思いつつ山道を登った。

山道の途中には数珠売りや僧侶のコスプレをした物乞い、キツネを檻に入れて売る人などいろんな人がいた。30分ほどゆるゆると歩いていたところ、この赤い壁が見えてきた。この石畳みを登るとすぐに黛螺頂へと到着した。
黛螺頂の境内
黛螺頂に参拝する人はかなり多い。入場料8元を払って中に入った。

まず天王殿。扉が閉じられていたため、ここは横から見るのみであった。

次に見えたのは站壇殿。五台山では珍しい六角形の建物である。

五方文殊殿。ここに参拝すれば小朝台ということになるのだ。

五方文殊殿の裏側。参拝客も多く、線香の煙も多い。

五方文殊殿の奥にある大雄宝殿。

黒板に書かれていた文言。文殊菩薩の誕生日は旧暦の4月4日(2016年は5月10日)といわれている。この文言は5月10日に開かれる行事の説明だ。

五台山の寺院にはこのようにお経の本や有名な僧侶の説法DVDなどが置かれている。これらは無料で配布されているので、自由に持って行ってかまわない。

境内を歩き終え、門の外に出てくると人だかりができていた。どうやらドローンを飛ばしている人がいたようだ。近くにいた僧侶に「“飛行機”を飛ばすな」と注意されてしぶしぶ片付けをしていた。

黛螺頂の入口付近は展望台のようになっており、五台山中心部の全景を見ることができる。初日に行った寺院があらかたまとまって見えた。

遙か遠くに台頂も見える。

ひとしきり景色を楽しんだ後、山道より山を下りた。実はこのとき大智路(1080段の石段)の方から降りれば良かったのだが、道がよくわからず、登ってきた道を再度降りた。山道の途中には、観光客が通るときだけ五体投地パフォーマンスをしている人もいた。そういったたぐいのは間違いなくニセ僧侶だ。
山を下りて馬ステーションの脇を通る。ここには子馬が元気に放し飼いになっていた。
黛螺頂関連用語
それでは黛螺頂に関連する中国語を見ておこう。
以上、五台山のお寺めぐりその8(黛螺頂)でした!