今回から数回に分けて北京観光の記録を書いておきたいと思います。まずは北京といえば必ず行きたい万里の長城ですね。万里の長城は各地にあってひとところではないのですが、今回は中でも最も有名な八達嶺の万里の長城に行ってきました。
行き方としては1日ツアーに参加する、車をチャーターする、公共の交通機関を利用するなどがあります。
今回、私は公共の交通機関を利用するを選択してみました。行ってから帰ってくるまでの様子を紹介しましょう。観光日は2016年4月29日です。文中に出てくる固有名詞は後でまとめてピンイン・発音を紹介します。(ですます調ここまで)
万里の長城(八達嶺)への路線バス
まず、万里の長城(八達嶺)への公共の交通機関を調べてみたところ、次の二つの方法があるそうだ。
今回、私はS2線へ乗ろうとして北京北駅へ行ったのだけれども、S2線へは乗車できず。よって877路のバスで行くことになった。その経過は次のとおり。
1. 北京北駅(地下鉄西直門直結)より出ているS2線へ乗る
まず中国語のウェブ情報で最もおすすめとされていたS2線へ乗って長城まで行くことにした。このS2線には乗れなかったので詳細はよくわからないけども、どうやら鉄道らしい。ちょっと寝坊をして地下鉄西直門駅へは午前10時少し前に到着、西直門駅からつながっている北京北駅へ歩いて行った。

北京北駅の入口にはわかりやすい看板がある。なるほど、ここからS2線に乗れるようだ。

どうやら北京の交通ICカード(一卡通)を持っていれば、そのまま进站口(入口)から入っていけるみたい。

しかし、すでに切符売り場の窓口が閉まっているのが気になった。よくよく見てみると、「下趟S215次13:35分开 12:50分开始售票」(次のS2線15号は13:35発、12:50より切符販売開始)とある。10時から13時半というと相当待つ。ちょっと来るのが遅かったようだ。3時間半後はさすがに待ちすぎなのでこの日はS2線への乗車をあきらめた。
2. 地下鉄積水潭駅より出ている877路のバスへ乗る
次の選択肢として877路のバスに乗ってみることにした。この877路のバスは地下鉄積水潭駅から出ているとのこと。まずは地下鉄西直門駅から地下鉄積水潭駅へ移動する。

地下鉄積水潭駅は西直門駅の隣の駅なのだけど、西直門駅の改札へ行くまでに相当な時間がかかってしまった。西直門の手荷物検査が行列になっていて、乗るまでに30分くらいかかったと思う。結局、積水潭駅についたのは10時40分くらい。

積水潭駅からは看板を頼りに877路のバス乗車場所を目指す。けっこう離れていて徒歩7~8分かかったかな。写真の城門を目印にするとよい。

877路のバス乗車場所は徳勝門というらしい。ここで仰天したのがバス乗車待ちの行列。

かなりの人たちが並んでいる!写真の橋の上に並んでいるのはごく一部。ずらーっと行列が300mはあったろうか。正確に数えたわけではないけども500人くらい並んでたように見えた。ただ、60人乗りのバスが頻繁に出発していたので、それほど時間はかからないだろうと見て並んだ。(500人÷60人/台=8.3台、3分/台として8.3台×3分/台=25分で待ち時間は25分ほどかなというアバウトな計算)
この時は長い長い列にも関わらず、割り込む人もなくみんな秩序だってならんでいた。

バスに乗り込んだのは30分後の11時20分。アバウトな計算はだいたい合ってた(笑)。

なお、877路のバスは割り込み乗車が可能。座らなくてもいいという人は10mぐらい離れたところに別の列がある。ここなら5分待ちぐらいで乗れる。ただ、乗車時間が1時間ちょっとなので、その時間を立ったままというのはちょっときつい。実際はこの徳勝門を11時20分に出て12時30分に長城入口についた。乗車時間は1時間10分。
料金は12元。現金と北京市交通ICカードが使える。ICカードは乗るときと降りる時の両方でタッチすることに注意しよう。
万里の長城(八達嶺)の観光
877路のバスはチケット売場の目の前に到着した。ちょうどこの日は五一休暇(労働節)の1日前だったので人はかなり多め。

後からわかったのだけど、このチケット売場では必ず往復スライドカーの乗車券付きのを買わなくてはならなかったらしい。長城の入場料だけなら40元だったと。スライドカー往復乗車券の料金が100元。合計で140元だった。長城の入場料だけ払いたければ、もうちょっと奥まったとこに行かなくてはならなかったみたい。他の中国人観光客の中には「被骗了(騙された)」と言ってる人もいたので、自力で歩いて行きたい方は注意しよう。
さて、私も意図せずスライドカーの乗車券も買ってしまったので、その乗り場まで行く。

この動物園のような入口を進むとスライドカーに乗れる。手前の看板を見ると、S2線の駅はもうちょっと上の方にあるみたい。

なぜか途中に熊が飼われている(笑)。熊にエサをやるには5元必要だそう。

スライドカー乗り場に着いたのでそこでスライドカーに乗る。人の輸送手段としてこんなのに乗ったのは初めて(笑)。20台くらい連なっていて、電気か何かの動力でカタカタと上に引っ張り上げているようだ。意外と速い。なんともチープな電飾の間をスライドカーが抜けていく。意図せず買ったスライドカーのチケットだけども、乗ってみたらけっこう楽しい。
スライドカーを降りたところから長城の上。この時点で13時20分くらい。877路のバスに乗ってからだいたい2時間ってところ。

この日は人は多めだったけども、長城じたいが広いので、そうそう人で渋滞して動けなるほどでもなかった。

場所によっては人で渋滞してた。上の写真のところは行き止まりになっていて、進むためには1回階段で下に降りなければならない。ここで自撮りする人も多く、ここだけ人の流れが滞留して混み混みになってた。よくネット上で「中国の祝日に万里の長城が大変な事態に!!」と紹介される写真はおそらくここで撮られたものだろう。

八達嶺は明代の遺構を元に作られているそうだ。北京市内よりは確実に空気が良かった。気温も少し低めで風も強いので、1枚羽織るものを持ってきておいた方がよいと思う。歩いていこうと思えばどこまでも行けそうな感じだったけども、1時間半くらいぶらぶらしてたら満足したので帰ることにした。

帰りもスライドカーに乗って下っていく。下りも電力で制御してるのかな。自然落下ではなくてスピードは制御されているようだった。カーブでちょっと傾くのが迫力ある(笑)
万里の長城からの北京市内へ
帰りも877路のバスに乗っていこうと思い、バス停まで行く。帰りも相当な人が並んでいたが、行きで30分待ちで乗れたので帰りも待ってみることにする。

しかしこの見立てが間違ってて、この写真で見る場所の奥に蛇行して並んでる場所があって、予想よりも2倍以上の人が並んでたと後で知ることになる。ひょっとしたら1000人くらい並んでたかもしれない。結果、1時間以上並んでから乗るハメになってしまった。帰りも立って乗る人は並ばなくても乗れたのに。1時間強のバスに立って乗るのが嫌だったので1時間以上立って待ってから1時間座って乗って帰るという、何ダコリャ状態に(笑)。15:10並び始め→16:23バス乗車→17:57徳勝門に到着という流れとなった。
あと、帰りのバスに並んでいる最中に雷が鳴ってにわか雨が降ってきた。長城のいたるところに「落雷があるときは携帯電話を使わないように」などという注意書きが書いてあったので、おそらく落雷が多いところなのかもしれない。折り畳み傘を持っておくとよいだろう。
帰りのバスはなぜかICカードを先にタッチしなくて良いと言われ、お金を出さずバスに乗り込んだ。車掌が「ICカードで払う人は、まず車掌にICカードを渡してくれ。車掌が代わりにタッチする。乗客はICカードの下4桁を覚えておいてほしい。後でICカードを返すときにその下4桁をもとに返す」と言い出した。絶対混乱して誰のICカードかわからなくなるだろと思って、車掌が来たときに現金で払っておいた。でも見てたらICカードで払う人もそれほど混乱なく返されていたようだ。
万里の長城(八達嶺)関連用語
それでは文中に出てきた固有名詞の中国語を見ておきましょう。
以上、万里の長城(八達嶺)への行き方でした!