前回に引き続き今回も中国でのバスの乗り方の話題です。今回は長距離バスの乗り方について解説してみましょう。
- 中国でのバスの乗り方~総合編~:前々回記事
- 中国でのバスの乗り方~路線バス編~:前回記事
- 中国でのバスの乗り方~長距離バス編~:この記事です。
中国は高速鉄道網が整備されてきているので、今さら長距離バスに乗るなんてと思われるかもしれません。確かにメジャーな都市間の移動ならば高速鉄道の方が便利なのですが、まだ高速鉄道が走ってない地方都市へ行くには、長距離バスが選択肢の一つになります。高速鉄道ではない普通の鉄道はというと、スピードは遅いですし、指定席が欲しければ数日前から切符を押さえておく必要があります。
そんなときに旅行者の味方になるのが長距離バスです。長距離バスならば鉄道駅のない場所にも行けるし、切符も当日買って間に合うことがほとんどです。気まぐれな旅をするにも適してますね。
長距離バスへの乗り方
長距離バスへの乗り方はだいたい次のような順序になります。
1つ1つ詳細を見てみましょう。
1. バスターミナルあるいはバス停を探す
バスターミナルは地図で探しましょう。百度地图(http://map.baidu.com/)で汽车站あるいは客运站と入れれば出てきます。
街中にあるバスターミナルは大きくて目立つので、わかりやすいでしょう。

移動途中のバス停はというと、よくわかりません(笑)。途中で降りる乗客や途中から乗ってくる人たちを見てると、みんな何もないところで降りたり乗ったりしています。こればっかりは地元の人でないとわからないかもしれません。次の写真は私がバスを降りた場所です。

どうでしょうか。何にもないですね(笑)。ただの国道沿いです。このように途中のバス停はわかりにくいので、とりあえず旅行者ならバスターミナルを目指しておきましょう。
2. 切符を購入する
バスターミナルが見つかったら、进站口(入口)から入ってみましょう。次の図はバスターミナルの一例です。中国のバスターミナルはだいたいこのような構造をしています。

道路沿いの緑色のところが入口です。道路沿いの赤いところはバスが出入りする場所なので、間違ってもここには入らないでください。構造上入れないところがほとんど(踏切がついてたりチェーンで仕切ってある)ですが、たまに入れてしまうところもあるので注意が必要です。
次に、乗車までの大まかな流れと単語を確認しておきましょう。

手荷物検査の位置はずれるかもしれませんが、だいたいこんな感じです。
まずバスターミナルに入ったら切符売場で切符を買いましょう。大きなバスターミナルならば電光掲示板が出ていて、何時にどこ行きのバスが出発するか見てわかるようになっています。何も表示のない小さなバスターミナルはどうするかというと、売り場窓口の人に聞くしかありません。
中国語に自信がなければ、行き先を書いた紙を見せるだけでも買うことはできます。
切符売場で切符を購入したら待合室へ向かいましょう。待合室に入る前に手荷物検査があるところがほとんどです。待合室へ来たら発車時刻が近づくのを待ちましょう。
3. 発車時刻まで待つ
待合室では改札が仕事をしているか否かによって、どんな心持ちで待つか決まってきます。改札にいる人がちゃんと切符を確認したり、乗車するバスが既に来ているかどうかをチェックしているところは改札が仕事をしています。一方で、改札にはただ人がいるだけで切符も確認してないし、バスが来たかどうかも見てないようなところは改札が仕事をしていません。
改札が仕事をしているところは、呼ばれるまで待っていればOKです。「到北京的,现在检票啦(北京行き、今から改札始めるよ)」などのように呼んでくれるので、呼ばれたら改札へ行きましょう。逆に呼ばれないうちに改札を抜けてバスが停車しているところへ行こうとすると追い返されます。
改札が仕事をしていないところは、勝手に改札を通過して自分の乗りたいバスが来ているかどうか、自分の目で確認しなければなりません。最近の経験によると、邯鄲のバスターミナルでは改札に人がいたけども何にもしてませんでした。

しかも私の買った切符には「13番改札口」と書かれていたにもかかわらず、13番改札口はずっと閉まったままでした(笑)。

まあ、こういうこともありますよってことです。
石家荘のバスターミナルでも改札に人はいるにはいたのですが、この人も特に何もしてませんでした。

このように、待合室での待ち方も受け身で待つか、主体的に行動するかはそのバスターミナルの状況によります。改札が仕事をしているか否かはとりあえず切符を買ったら改札の近くへ行って他の乗客の動きをよく観察するか、自分で改札を抜けてみましょう。
4. 改札を通ってバスに乗る
改札を通ったら自分の乗るバスを探しましょう。だいたいバスのフロントガラスに行き先を書いたプレートが置いてあるので、それを目安にして探すとよいです。

自分の乗るバスが見つかったら乗り込みましょう。改札が仕事をしているか否かによりますが、改札が仕事をしている場合はそのまま乗り込めばOKですが、改札が仕事をしていない場合、運転手もしくは車掌が切符をチェックします。

上の写真ではいちばん前の席に座ってる女性が車掌でした。私服を着ているのでわかりにくいですね。
バスに乗り込んだら乗車成功です。バス車内で身分証チェックがある場合もありますが、その際はパスポートを見せておけば大丈夫です。
長距離バスからの降り方
目的地が終点のバスターミナルであれば、最後に停車するまで乗っていれば問題ありません。この点、何も考える必要はないので楽ですね。
問題は途中で降りるケースです。
途中で降りる場合はあらかじめ運転手もしくは車掌にどこで降りるかを伝えておく必要があります。人によっては高速道路出たところとか、ほんとに何も目印のないところで降りていくので、交渉次第でどこでも降りられるのかもしれません。運転手が運転中に筆談することは不可能なので、この点、少し中国語力が必要になります。
長距離バス路線の調べ方
私の場合、とりあえず百度(http://www.baidu.com/)で从XX到OO(XXからOOまで)と入れてみて、どんな移動方法があるか調べてます。特に長距離バス路線を調べたい場合は検索窓に从XX到OO 大巴(XXからOOまで バス)とか从XX到OO 长途汽车(XXからOOまで 長距離バス)などとと入れて検索してみています。
長距離バスには座席番号どおりに座るのか
長距離バスの切符を買うと、切符には座席番号が書いてあります。日本でバスに乗るならば座席番号どおりに座るのは当たり前ですし、座席番号が不要であればそもそも切符に座席番号が書いてありませんね。中国の場合はこれがまた状況によって変わるのでクセモノです。完璧に座席番号順に座ることを求められることもあれば、座席番号など関係なく適当に座っていい場合もあります。35人乗りのバスに「38番」と書かれた切符を持って乗ってきた人もいます。
相当ちゃんとしたバスでないと座席番号が指定席といった運用はしてないと思います。このあたりはバスに乗ってみるまでわかりませんね。
とりあえず確認したかったら对号入座という表現を覚えておきましょう(ピンインは後で解説してます)。これは「切符に書かれた座席番号どおりに座る」という意味です。運転手や車掌が大家对号入座啊と言っていたら座席番号どおりに座りましょう。運転手や車掌が特に何も言ってなかったらどこに座っても大丈夫です。念のため对号入座吗?(座席番号どおりに座るの?)と聞いてみるのもよいでしょう。
長距離バス関連用語
それでは最後に長距離バスに関連する中国語を見ておきましょう。地下鉄と使う言葉は同じなので、ほとんど今までの復習です。
以上、中国でのバスの乗り方~長距離バス編~でした!こちら↓の記事も合わせてどうぞ!